コピーしようとしたら、エラー表示で止まっている。
急いでいるのに、コピー機がうんともすんとも言わない——これは特に医療現場や官公庁で深刻な問題になる。処方箋・公文書・申請書類が詰まった複合機の前で途方に暮れている人を、情シス担当として何百回も助けてきた。
コピー機・複合機のトラブルは、プリンターとは少し違う特徴がある。スキャン・コピー・FAX・印刷の機能が一体化しているため、問題が絡み合いやすい。でも切り分ければ必ず原因は見つかる。
この記事でわかること
- 紙詰まり後のエラーが消えない本当の理由と対処法
- スキャンしたデータがどこに保存されているか確認する手順
- トナー切れの見分け方とPC側のドライバー問題の切り分け
まず電源と基本状態を確認する
📌 要点:複合機はリセットで直ることが多い。ただし電源オフ→オンには30秒待つことが条件だ。
コピー機がまったく反応しない・操作パネルが固まっている場合、まず電源を切って30秒待ってから再起動してみよう。複合機は内部にコンピューターが入っており、このリセットで内部エラーが解消されることがある。
ただし電源を切る前に「印刷中・スキャン中・通信中」でないことを確認してほしい。処理中に電源を切るとデータが消えたり、内部で紙が引っかかったりすることがある。
紙詰まりのエラーが消えない
📌 要点:「削ったはずなのにエラーが消えない」は、紙の端切れがローラーの奥に残っているサインだ。
複合機の全扉を開けて確認する
紙を取り除いたつもりでもエラーが消えない場合、紙の端切れが奥に残っている可能性が高い。これが現場で最もよくある「まだ詰まっているのに詰まっていないと思い込む」パターンだ。
複合機には複数の紙の通り道(給紙トレイ→搬送ローラー→定着ユニット→排紙トレイ)があり、それぞれに確認すべき場所がある。
確認すべき場所(すべて開けて確認する)
- 給紙トレイ(用紙が残っていないか・用紙サイズが合っているか)
- フロントカバーを開けた内部(トナー・ドラムユニット周辺)
- 搬送ユニット(機種によって引き出せる部分がある)
- 両面印刷ユニット(背面カバー側)
- 排紙トレイ周辺(出口付近で引っかかっているケース)
操作パネルに表示されている詰まり箇所のイラストを見ながら、対応する場所を順番に開けて確認しよう。
無理に引き抜かない
詰まった紙を引き抜く方向は重要だ。定着ユニット(熱で紙にトナーを定着させる部分)に引っかかっている場合、逆方向に引くと紙が破れてさらに奥に押し込まれる。矢印が示す方向に、ゆっくりと引き出すことが鉄則だ。
また、ちぎれた紙の端が残っていた場合、無理に取ろうとせずに複合機のメーカーサポートまたはリース会社に連絡する判断も必要だ。
スキャンができない・保存されない
📌 要点:スキャンしたデータはどこかに保存されているはずだ。「保存先の設定」を確認することが最初の手順だ。
スキャンデータの保存先を確認する
複合機でスキャンしても「保存されていない」という相談の多くは、実は保存されているがどこに保存されたかわからないケースだ。
複合機のスキャン保存先は主に以下のいずれかに設定されている。
| 保存先 | 確認方法 |
|---|---|
| 共有フォルダ(ネットワーク) | ネットワーク上の指定フォルダを確認 |
| メール送信 | スキャン時に設定したメールアドレスの受信箱を確認 |
| USB | 差し込んだUSBメモリの中を確認 |
| 複合機本体のボックス | 操作パネルの「ボックス」から確認 |
どこに設定されているかは、複合機の操作パネルで「スキャン先」または「宛先」を確認すると確認できる。
ネットワーク経由のスキャンができない
複合機からネットワーク共有フォルダへのスキャンができない場合、以下を確認しよう。
- 複合機自体がネットワークに繋がっているか(複合機の設定画面でIPアドレスを確認)
- 保存先の共有フォルダが存在しているか・フォルダが削除・移動されていないか
- 共有フォルダへのアクセス権限が複合機に与えられているか
この設定は情シスが行うことがほとんどだ。「以前は使えていたのに急に使えなくなった」場合は、共有フォルダのパスワード変更・フォルダの移動・権限変更が原因のことが多い。情シスへの連絡が必要だ。
PC側からコピー機を使う場合の問題
📌 要点:PC側のアプリ(複合機ドライバー)の設定が必要なケースがある。認識されない場合はドライバーの再インストールが最短の解決策だ。
複合機ドライバーのインストール確認
PCからコピー機に印刷・スキャンしようとして「プリンターが見つからない」「スキャンアプリに複合機が表示されない」という場合は、PC側のドライバーが入っていない可能性がある。
PC買い替えやOSの再インストール後に、複合機のドライバーを入れ直す必要があるケースは非常に多い。メーカーの公式サイトから機種名でドライバーを検索してダウンロード・インストールしよう。
企業でリースしている複合機の場合、情シスが一括管理しているドライバーを配布する仕組みになっていることがある。情シスに「複合機のドライバーをもらえますか?」と連絡してみよう。
トナー・インク切れを確認する
📌 要点:トナー切れなのに気づかず使い続けると、印刷がかすれるだけでなく複合機内部が汚れることがある。
トナー残量の確認方法
複合機の操作パネルで「トナー残量」または「消耗品情報」を確認できる。残量が少なくなると警告が表示されるが、警告が出てからも数百枚は印刷できることが多い。
問題は「警告を無視して使い続けた」場合だ。トナーが完全に切れた状態で印刷を続けると、かすれた文字がローラーに付着して複合機内部が汚れ、その後新しいトナーを入れてもしばらく汚れが出続けることがある。
警告が出たら早めに交換することを推奨する。
トナー切れと他の問題の見分け方
| 症状 | 疑われる原因 |
|---|---|
| 印刷全体がかすれる | トナー切れ |
| 特定の位置だけかすれる・縦筋が入る | ドラムユニットの汚れ・傷 |
| 印刷が薄い・ムラがある | トナーが偏っている(カートリッジを水平に振ってみる) |
| 印刷物に黒い点・汚れが付く | 複合機内部の汚れ・紙詰まりの残滓 |
リース・保守契約の確認
📌 要点:複合機はほとんどの場合リース・保守契約があり、修理・消耗品補充はベンダー対応が原則だ。自己修理はNG。
企業・医療機関・官公庁で使われる複合機は、大半がリース契約または保守契約がある。この場合、修理・メンテナンスはリース会社またはメーカーサービスが行うことになっており、自分で内部を開けて修理することは契約上NGであることが多い。
「調べたら解決できそう」と思っても、複合機の内部構造に手を入れることは保守契約違反になる可能性がある。自分でできることは「紙詰まりの除去」「トナーの交換(交換手順書に従う)」「電源のリセット」程度に留め、それ以上は情シスまたはベンダーに連絡しよう。
よくある質問
- Qなぜ?コピーはできるのにスキャンだけできない。
- A
コピー機能はスキャン→内部処理→印刷の流れで完結するため、ネットワーク不要で動く。スキャンしてPC・フォルダに保存する場合はネットワーク経由の設定が必要で、ネットワーク設定の問題・保存先フォルダの権限エラーが原因のことが多い。
- Qなぜ?紙詰まりのエラーを直したのに、次の人が使おうとしたらまたエラーが出た。
- A
紙の端切れが奥に残っていた可能性が高い。複合機の全扉を開けて、すべての用紙通路を再確認してほしい。定着ユニット付近に残っていることが多く、見落としやすい。
- QスキャンしたファイルがPDFではなくJPEGで保存された。PDFにする方法は?
- A
複合機の操作パネルの「ファイル形式」設定でPDFを選択できる。設定が「JPEG」になっていれば、次回からPDFに変更しよう。複数ページをまとめてPDFにする場合は「まとめてPDF」または「複数ページ」の設定も確認が必要だ。
- Q複合機が古くなってきた。買い替えの目安は?
- A
コピー機・複合機のリース期間は一般的に5年が多い。リース期間中は交換・修理はベンダーが対応する。リース期間終了後も使い続ける場合は保守契約の継続が必要で、その費用と新規リースのコストを比較して判断することになる。情シスまたは総務担当に確認しよう。
- Q情シスではなく複合機のベンダーに直接連絡してもいい?
- A
複合機のリース・保守契約先が明確な場合は、直接連絡して構わない。機器本体の不具合・トナーの補充依頼は保守担当に連絡するのが最も早い。ただしPC側のドライバーや社内ネットワークの設定が原因の場合は情シスの担当になる。どちらかわからない場合はまず情シスに相談しよう。
まとめ
- まず電源リセット(30秒待つ):複合機の内部エラーはこれで解消することが多い
- 紙詰まりは全扉を開けて全箇所を確認:端切れが残っているとエラーが消えない
- スキャンは「保存先の設定」を確認する:メール・共有フォルダ・USBのどこに設定されているかを確認
- ネットワークスキャンは情シス設定が必要:フォルダのパス・権限は情シスが管理している
- トナー警告は早めに交換:切れたまま使い続けると内部が汚れる
- リース機器の内部修理はNG:自己修理は契約違反になる可能性がある
コピー機のトラブルは「自分でできること」と「ベンダー・情シスに任せること」の区別が重要だ。この記事の範囲で解決しない場合は迷わず情シスへ。複合機のリース先が明確なら、直接ベンダーに連絡するのが最も早い解決策になることも多い。
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