世界のデジタル競争力ランキングで3位を誇るシンガポール。一方、日本の順位は32位。この差は、AI戦略の遅れを示しているのでしょうか?
本記事では、このAI先進国が実際に活用している、AIの回答精度を高めるプロンプトのフレームワーク「CO-STARフレームワーク」を深掘りします。さらに、日本のAI戦略が世界に「決して遅れをとっているわけではない」理由を解説。国を挙げてプロンプトスキルを磨くシンガポールの事例から、私たちが今すぐ取るべきアクションが見えてきます。
世界が注目!シンガポール政府考案「プロンプトロワイヤル」とCO-STAR
シンガポールは国を挙げてAIに取り組み、その姿勢は世界のデジタル競争力ランキングで3位という結果にも表れています(ちなみに1位はアメリカ、2位はオランダ)。
その取り組みの一環として、シンガポール政府技術庁(ガブテックチーム)は、「プロンプトロワイヤル」という、プロンプトスキルを競い合う大会を開催しました。これ、非常に面白いですよね。政府レベルでAIの「使いこなし方」に重きを置いていることがわかります。プロンプトをいかにうまく書けるかを競うこの大会は、シンガポールがAI活用におけるスキル向上に注力していることを示す、非常に興味深い事例です。
1.1. 複雑なタスクで威力を発揮するCO-STARフレームワーク
このプロンプトロワイヤル大会で実際に使われたのが、シンガポールのガブテックチームが考案した「CO-STARフレームワーク」なんです。
これは要するに、プロンプトを書くときの「型」のようなもので、いくつかの項目を埋めるだけで、AIの回答精度がグッと上がると推奨されているんですよ。(ちなみにCO-STARはContextやGoalなどの頭文字をとったものです。)
CO-STARフレームワークは、特に以下のような複雑なタスクでその力を発揮します。
- 台本を記事に変換したい
- レポートをより深く洞察したい
- 企画書の下書きを作りたい
話し手も「こういった一定以上の出力精度が欲しい場合に項目を埋めるだけで回答精度が上がる」と述べています。逆に、「シンガポールの人口は?」というようなシンプルな質問にCO-STARフレームワークを使うメリットはあまりない、とのことです。
誤解を解く!日本のAI戦略は世界に「遅れをとっていない」根拠
世界のデジタル競争力ランキングでシンガポールが3位なのに対し、日本は32位。この順位だけを見ると、私たちは「日本はAIに遅れている」と心配になるかもしれません。
しかし、実はこのランキング、少し注意が必要で、東京大学の松尾研究所のレポートでは、日本のAIへの取り組みについて、非常に前向きな見解が示されています。
レポートによると、日本は戦略的な国であり、シンガポールが取っているAI戦略の多くを「既に実行し、あるいは議論をしている」と書かれています。これは、シンガポールが実行しているAI戦略のアクションアイテムの多くについて、日本も既に取り組んでいるか、現在検討中であり、決して日本が遅れをとっているわけではないということが補足されています。ランキング順位から見ると日本は伸びしろしかないとも言える状況だと、専門家は評価しているわけです。
まとめ
この記事をまとめると…
- シンガポールは国を挙げてAIに取り組み、「プロンプトロワイヤル」というプロンプトスキルを競う大会を開催しました。
- 大会で使用された「CO-STARフレームワーク」は、項目を埋めることで台本作成やレポート分析など複雑なタスクのAI回答精度を向上させるプロンプトの型です。
- 世界のデジタル競争力ランキングでは日本は32位ですが、日本のAI戦略はシンガポールの戦略の多くを既に実行または議論している段階であり、遅れをとっているわけではありません。
配信元情報
番組名:耳で学ぶAIロボシンク
タイトル:初番組企画 _ シンガポールはAIにどのように向き合っているのか? _ CO-STARフレームワーク
配信日:2024-08-06




