Amazonが AnthropicのClaude 4を内部に搭載した新AIコーディングツール「Kiro(キロ)」を公開しました。これは、単なるコード補完ツールではありません。
Kiroの真の強みは、AIエージェントのように開発の設計書を自律的に作成してくれる点にあります。この機能は、プログラミング初心者でも簡単にツールを自作できる革新的な道筋を立ててくれます。本記事では、Kiroのメリット・デメリットと、他のAIツールと連携して実装の遅さを回避する具体的な戦略を解説します。
💥 Amazon Kiro登場!Anthropic「Claude 4」搭載のAIコーディングツール
Amazonが新たに公開したAI搭載のコーディングツールが「Kiro(キロ)」です。現在、MicrosoftやOpenAI、Googleなど、さまざまな会社がAIコーディングツールを開発しており、この激戦区にAmazonも参入しました。
このKiroの内部では、OpenAIの競合であるAnthropic(アンソロピック)のClaude 4モデルが動作しています。AmazonはAnthropicに多額の出資をしており、コーディングタスクで人気が高いClaude 4が搭載されたと推測されます。
Kiroはリリース直後から予想以上の人気で、現在ウェイトリスト待ちの状態です。筆者もウェイティングに加わっていますが、「おそらく近いうちに解除される」とのことなので、要注目です。
🧑💻 プログラミング初心者の救世主?AIエージェントによる「設計書作成」機能
実際にKiroを触ってみて感じた最大の魅力は、そのAIエージェント的な動作にあります。
Kiroは、ユーザーが「こんなものを作りたい」と伝えると、すぐさまコードを書き始めるのではなく、開発の設計書や計画書を作成してくれます。「Kiroは先に設計書と あとはTo Doリストのようなものを作成してその計画を基に実装を進めてくれます。」この計画書は、タスク単位に細かく分割されたTo Doリストのようなもので、これからの開発の道筋を立ててくれるのです。
なぜプログラミング初心者におすすめなのか?
この機能は、プログラミング初心者にとって非常に有用です。なぜなら、プログラミングに慣れていない人ほど詳細な実装計画を立てるのが難しいからです。
Kiroは、「人間の少ない指示でもAIが自律的に施行をして 実装計画を立ててくれます」ため、「自分で何かを作る作業のハードルを下げてくれる」のです。また、この設計段階で人間がチェックを挟むことで、「あれ、これ指示していたものと違うな」といった伝達ミスを防ぐことができるのも大きなメリットです。
🤝 実装スピードの課題を回避!KiroとClaude Codeの「連携戦略」
Kiroは設計機能の面で優れている一方で、単体で使うにはデメリットもあると感じました。
唯一のネガティブな面は、単的に言って「実装スピードが遅いこと」です。設計書作成後のTo Doリストの項目を押してから、実際にコードが生成・実行されるまでに時間がかかります。
他のAIツールとの役割分担
ただし、この課題はKiro単体で解決する必要はありません。Kiroの優れた設計機能はそのまま活用し、「他のAIツールを組み合わせて回避することができます」。
具体的な連携戦略は、実装計画をKiroで作ってもらい、Kiroのデメリットである実装の遅い部分は、Claude Codeといった他のAIコーディングツールに代行してもらうというアプローチです。
AIツールを単体で使うのではなく、「他のAIツールと組み合わせて使う方法」は、今回のKiroの話以外でも有効なテクニックです。例えば、文章構成のタスクでは、チャットGPTとGoogleのGemini 2.5 Proという「2つのモデルで文章構成のダブルチェック」を行うことで、チェックの漏れを減らすことができます。
🛡️ AIの弱点「ハルシネーション」を回避する、プログラミングの大きな意義
AI搭載のコーディングツールを活用する最大の意義は、ハルシネーション問題を回避できる点にあります。
生成AIには「ハルシネーション(AIが間違った回答を出してしまう)」という弱点がありますが、プログラミングは「コードの通りに処理が実行されます」。話し手は、「書いた通りに処理が実行されるのでハルシネーションという現象が入り込む余地がないわけです」と指摘しています。
AIだけでは解決できない課題や、ハルシネーションリスクの高いタスクは、AIとプログラミングを組み合わせることで解決できます。このアプローチこそが、ソフトウェア開発の分野が現在「AIにおいて最も熱い分野であり激戦区」となっている背景です。
AI搭載のコーディングツールを活用すれば、プログラミング経験がない人でも、「AIの力を借りてツールを自作できる」土壌が整っています。
💡 ニーズ別おすすめ!Kiroを含むAIコーディングツール選定ガイド
AI搭載のコーディングツールは多すぎる状況ですが、ニーズ別のおすすめを紹介します。
- ガッツリ開発をしたい場合: Anthropicの「Claude Code」がおすすめです。
- まずは無料で試したい場合: Microsoftの「VS Code」がおすすめです。無料でエージェント機能が利用できるため、AIコーディングの体験を試すのに適しています。
- 設計の計画だけAIに任せたい場合: Kiroがおすすめです。
普段使っているチャットGPTやGeminiといった会話型AIに、「コーディングツールをプラスするアプローチ」を採ることで、AI活用の幅が広がります。
まとめ
- Amazonが公開したAIコーディングツールKiroは、Claude 4モデルを搭載しており、特にAIエージェントによる詳細な開発設計書の作成機能が優れています。
- Kiroのこの設計機能は、プログラミング知識のない初心者でも自作ツール開発を始めるハードルを下げます。
- Kiroは実装スピードが遅いという課題があるものの、他のAIツール(Claude Codeなど)と連携して計画と実装の役割を使い分けることで効率的に活用できます。
- AIとプログラミングの組み合わせは、AIのハルシネーションという弱点を回避し、業務課題を解決する自作ツールを開発できるという大きな意義があります。
- AI搭載のコーディングツールは、ガッツリ開発するならクロードコード、無料で試すならVSコードがおすすめです。
配信元情報
番組名:耳で学ぶAIロボシンク
タイトル:Amazonが公開したコーディングツールのKiroを試す。プログラミング初心者におすすめのツールなのでは?
配信日:2025-07-22




