ChatGPTがある今、あえて自分でチャットボットを作る意味はあるのでしょうか?
本エピソードでは、ノーコードで独自のAIチャットボットを作成・運用できるプラットフォーム「Dify(ディファイ)」を取り上げます。Difyは、企業の独自情報をAIに学習させるRAGの仕組みにより、カスタマーサポートや社内業務の効率化に貢献します。日本でも熱狂的な注目を集めるDifyの基本機能、無料で試せる利用方法、そしてビジネス利用におけるセキュリティリスクと対策について詳しく解説します。
?️ Difyの基本:プログラミング知識不要の「ノーコードチャットボット」
Dify(ディファイ)は、チャットボットをノーコードで作成できるプラットフォームです。つまり、プログラミング言語を一切書かずに、エンジニアではない人でもチャットGPTのような対話型ボットを自作・運用することが可能です。
Difyの開発チームは、中国の巨大IT企業であるテンセントクラウドの出身者が多く、運営会社はアメリカのデラウェア州に登記事務所を置く米国企業です。
Difyは2024年5月の頭頃から日本で急速に盛り上がりを見せており、公式も日本からのアクセスが多いことを認識し、日本人専用のDiscordチャンネルを作成したほどです。
Difyの利用方法と料金体系
Difyの利用方法は主に2つあります。
- オープンソース版: 自分のPCにインストールして使う方法。Difyはオープンソースで公開されているため、誰でもソースコードをダウンロードして、自分のパソコンにチャットボットを構築できます。
- 公式サイト利用版: Difyの公式サイトにアクセスして使う方法。こちらが最も手っ取り早い方法とされています。
公式サイトで利用する場合、Googleアカウント連携などで会員登録ができ、200メッセージまで無料で利用可能です。商用利用も可能ですが、有料版は月額59ドルから提供されています。
? Difyの真髄:RAG(独自データ活用)で実現する「マイチャットボット」
「チャットGPTがあるのになぜわざわざ自分でチャットボットを作るのか?」という疑問に対して、Difyの強みとなるのがRAG(ラグ:Retrieval-Augmented Generation)の仕組みです。
RAGは、AIが学習していない情報(会社の独自情報など)について回答させる手法です。「簡単に言うと、その言語モデル。例えばチャットGPTとかクロードですね。言語モデルが知らない情報について回答させる手法になります」。
通常、AIは世界中の論文やウェブサイトの情報をもとに学習していますが、特定の企業や団体の細かな内部情報までは学習していません。
しかし、Difyでは、会社の返品手順が記載されたテキストファイルやウェブサイトなどの情報源をアップロードすることで、AIにその情報を参照させ、独自の情報に基づいて回答させることができます。「独自の質問に答えてくれるマイチャットボットを作成できるわけですね」。
? 業務活用事例:ECサイトから社内WikiまでDifyの応用力
Difyで作成したチャットボットは、企業の業務効率化に大きく貢献します。
ウェブサイトへの埋め込みとカスタマー対応
作成したチャットボットを自社のウェブサイトに埋め込むことができ、顧客との窓口としてAIを活用できます。これにより、メールや電話対応に加えて、AIチャットボットという第三の選択肢が加わり、顧客対応の遅れやクレームの削減が期待できます。Difyの管理画面では、会話の履歴を管理者側で確認できるため、AIで解決できなかったケースでも、人間が会話履歴を確認してスムーズに対応を引き継げます。
社内情報の効率的な共有
従業員が多い会社では、新入社員マニュアルや年末調整、領収書の処理方法などが記載された社内Wikiのようなシステムを運営していることがあります。Difyのチャットボットをこのシステムに組み込めば、全社員が対話形式で社内情報にアクセスできるようになり、社内の業務が効率化されます。
自治体などの窓口対応
自治体が持つマイナンバーや各種手続きの手引書をDifyにアップロードし、窓口対応のチャットボットを作成するという活用アイデアもあります。これにより、シンプルな問い合わせはAIが対応し、複雑な案件は人間が対応するという住み分けが可能になり、窓口の負担軽減につながります。
また、Difyは、DALL-E 3やStable Diffusionといった画像生成AIにも接続できるため、画像生成が可能なチャットボットも作成できます。
? セキュリティ対策:機密情報を守る「セルフホスト」の必要性
Difyは商用利用が可能で非常に便利ですが、業務で機密情報や個人情報を扱う場合、セキュリティとプライバシーについて理解しておく必要があります。
Difyのプライバシーポリシーには、「ユーザーがサービスを通じて直接提供した個人情報を収集 保存する。」ことが記載されています。また、Difyに直接問い合わせたところ、「メッセージ データ はパフォーマンス 上 の 理由 から 暗号 化 さ れ て い ませ ん」という返答が得られています。
機密情報を守るための推奨対策
そのため、機密情報や重要な情報を扱うチャットボットを構築する場合、ユーザー側のセキュリティ対策が重要になります。
Difyではこの課題に対する解決策も提供しており、セルフホスト(自前サーバー)でDifyを運用するか、AWS上の「Difyプレミアム」を利用することが推奨されています。これらの方法を使えば、エンドユーザーのデータが完全にコントロールできると説明されています。
また、Difyの管理画面では、ユーザーがAIの回答に対して「いいね」や「バッド」の評価をつけることができ、バッドの多い会話を分析することで、ユーザーが何に不満を抱いているのかを分析し、チャットボットの改善につなげられます。
まとめ
- Difyは、プログラミング知識なし(ノーコード)でチャットGPTのような対話型チャットボットを作成・運用できるプラットフォームです。
- RAG(ラグ)の仕組みにより、企業の独自情報(マニュアル、商品情報など)をAIに学習させ、その情報に基づいた正確な回答を実現します。
- 作成したチャットボットはウェブサイトに埋め込み可能で、カスタマーサポートや社内情報への対話型アクセスなどに活用できます。
- Difyは商用利用が可能ですが、機密情報を取り扱う際は、セルフホストなどの方法でデータ管理を徹底することが重要です。
- プログラミング知識ゼロでも作成できますが、より実用的なアプリケーションとして開発する場合は、プログラミングやIT関連の知識がある方がより良いものを作れるでしょう。
配信元情報
番組名:耳で学ぶAIロボシンク
タイトル:君はDifyを知っているか?ノーコードでチャットボットを作成できるDifyがアツい?
配信日:2024-05-14



