【プロンプト最適解】AIが情報を無視する「4つの特性」を知り、回答精度を最大化する

AI・テクノロジー

生成AIが「次の単語を予測しているだけ」だと聞くと驚くかもしれません。しかし、このシンプルな仕組みこそが、AIの回答を不安定にしている原因です。

本記事では、生成AIが持つ4つの特性(プロンプトの順番、中間部の喪失など)を深掘りします。これらのAIの弱点と癖を知ることで、プロンプトの設計ミスを防ぎ、あなたのAI活用の回答精度を最大化するための具体的な最適解を導き出します。

この問題を理解するには、まずプロンプト設計の基本原則を押さえておくと効果的です。

なぜプロンプトが重要か?生成AIの基本的な仕組みと「単語予測」の原理

生成AIは、魔法の箱のようなものではなく、内部ではその特性に従って動いています。生成AIの仕組みは、「次の単語を予測しているだけだ」とよく言われます。

AIは、文章から次に続く単語を確率的に予測し、その確率の高い単語が並ぶことで、最終的に自然な文章を生成しています。AIに渡される文章は「トークン」という最小単位に分割され、このトークンが前から後ろに情報を渡していく仕組みによって、次の単語が予測されるのです。

生成AIをより精度高く運用するためには、この「確率予測」という根本的な特性に起因する、4つの重要な振る舞い(特性)を知ることが不可欠です。


回答精度を劇的に上げる!生成AIが持つ4つの「癖」と最適解

ここでは、プロンプト構築の精度向上に直結する、生成AIが持つ4つの特性と、その対策について解説します。

2.1. 【特性1】プロンプトの順番:注意を向けるべきものを先に明示する

生成AIの特性として、AIに何をしてほしいか(タスクの指示)を先に述べる方が、回答精度が上がる傾向があります。

例えば、翻訳タスクにおいて、「次の文章を日本語に翻訳してください」という指示を先に出す方が精度が高くなります。これは、AIが先にタスクを知ることで、次に続く文章をどのように処理すべきか(翻訳として処理すべきか)を理解できるからです。

人間でも、いきなり情報を渡されてから質問されるより、先に質問の意図(タスク)を知らされていた方が、その情報に注意を向けることができますよね。AIも同様に、先に注意を向けるべき対象を明示することが望ましいのです。

刺さるフレーズ: 皆さんは、会話の内容よりも、この会話にいくつ数字が含まれているか、という情報に注意を向けていますよね。

中間部分の情報を確実に理解させたい場合、Few-shot で例示を与える方法も有効です。

2.2. 【特性2】コンテキストの重要性:文脈を充実させる

生成AIの回答精度を上げるためには、文脈や背景情報(コンテキスト)の充実が非常に重要です。

AIは前の文章をベースに、次に続く単語を確率的に予測します。そのため、精度を求められるタスクでは、プロンプトにコンテキストを豊富に含めることで、回答の角度、つまり精度を上げることができます。

単に「メールを作成してください」ではなく、「私の名前は〇〇で、営業をしています。メールを送る人との関係性はこうです。伝えたい意図はこうです」のように、コンテキストを細かく設定することが、より自然で正確な回答を引き出す鍵です。


3. 会話の運用で注意すべき2つの特性

長文の処理や、複数回のやり取り(マルチターン)が必要な会話タスクで、多くのユーザーが直面する2つの特性と対策を解説します。

3.1. 【特性3】中間部の喪失(Lost in the Middle):重要な情報は末尾に

生成AIは、提供された情報や会話において、最初と最後の内容に関心を示しますが、中間部の情報は無視する傾向があるという特性があります。これは「無関心の谷」とも呼ばれます。

刺さるフレーズ: この前読んだ小説、冒頭と最後はよく覚えてるけど、中間は、どういった展開だったか、あまり覚えてないな。

この現象は、コンテキストが長くなればなるほど顕著になります。対策として、AIに絶対に守ってほしいルールや注意事項といった重要な情報は、プロンプトの中間部分には置かないようにすべきです。もしプロンプトが長くなってしまう場合は、重要な情報のみを最初か最後に配置し、必要であれば最後にリマインドをしましょう。

情報を整理して提示するには、CO-STARのような構造化フレームワークを使うと効果的です。

3.2. 【特性4】回答の方向性:AIは過去の回答に引きずられる

生成AIは、一度会話の方向性が定まると、そこから大きく軌道修正をすることが難しくなります。AIは確率的に一貫した内容を生成しようとするため、一度出した回答に引きずられてしまうのです。

刺さるフレーズ: 途中でやり直しを求めても、最初に立てた前提条件に、引きずられるような形になってしまっているので、その後に軌道修正をしようとしても、なかなか軌道修正ができない。

例えば、アイデア出しのタスクで、途中で全く異なる切り口でのアイデアを指示しても、最初のアイデアに引っ張られるケースがあります。こうした場合は、以下の2つの解決策があります。

  1. AIに「これまでの内容は完全に忘れて、ここからは全く違った内容で会話を続けてください」と指示する。
  2. もうスパッと!新規でチャットを立ち上げるのが、結局一番簡単で確実です。気持ちをリセットして、仕切り直しをする感覚ですね。

モデルによっては内部推論が強化され、従来のプロンプト最適化が不要になるケースもあります。

まとめ

この記事をまとめると…

  • 生成AIは次の単語を確率的に予測する仕組みで動作するため、プロンプトにおいては、AIに注意を向けてほしいことを先に述べる「プロンプトの順番」が重要である。
  • 回答の精度を向上させるため、文脈や背景情報(コンテキスト)をプロンプトに充実させることが推奨される。
  • AIは長文のプロンプトや会話において、中間部の情報を無視する傾向があるため、重要な情報はプロンプトの最初か最後に配置する必要がある。
  • AIは一度決まった回答の方向に引きずられやすく、大幅な軌道修正を試みる場合は、新規チャットを立ち上げて仕切り直しをするのが効果的である。

配信元情報

番組名:耳で学ぶAIロボシンク
タイトル:生成AIの4つの特性からプロンプトを構築する
配信日:2025-07-08

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